Pythonは、今人気のあるプログラミング言語です。
これからプログラミングの学習を始めるのであれば、構文がシンプルでソースコードが読みやすいのでプログラミングの基礎を学ぶにはおすすめの言語です。
本記事では、プログラミングの概要とPythonがどのような言語なのか、その特徴について解説します。
Contents
プログラミングの概要
プログラミングとは
プログラミング言語を使用して、コンピュータに実行して欲しい指示、処理手順のプログラムを作成することです。
プログラミング言語について
コンピュータは与えられたプログラムに従って処理を行います。そのプログラムはコンピュータが理解できる言葉である必要があります。コンピュータが理解できるのは、0と1で構成された機械語と呼ばれる言語です。
その機械語を理解してプログラムを作成することは困難です。
そこで、その橋渡しとして人間が機械語よりも理解しやすい言葉で書いてコンピュータに指示をするためにプログラミング言語が作られてきました。
ただし、それぞれの言語に得意とする分野や文法が異なります。そのため、開発するシステム、目的によって最適な言語を選ぶ必要があります。
- Java
Web開発やアプリケーション開発、システムの開発など幅広い分野で利用されています。特に、Androidアプリの開発、システム開発を得意としています。
- PHP
Webアプリ開発向けの言語です。WebサイトやWebサービスを作成することができます。例えば、宿の予約システムやYahooのWebサービスはPHPが使用されています。また、FacebookはPHPで開発されていましたが、今はPHPを改良した独自言語の「Hack」が使われています。
- C/C++
組み込み系(電化製品など)を制御するソフトウェア、PCで使用しているソフトウェア(Safariなどのブラウザ)の分野などC言語で作られています。LinuxのOS(オペレーティングシステム)の中心部であるLinuxカーネルはC言語で開発されています。PythonやRubyなどは、基盤の部分をC言語で書かれています。C++は「C言語の拡張」として開発されたプロブラミング言語です。
- JavaScript
ブラウザ上でWebページを動かすためのプログラミング言語です。Webページをクリックしたらページの表示内容を書き換えたりポップアップ表示をさせるといった動的なWebページを作ることができます。
- Ruby
WebサービスなどのWebアプリを開発できる言語です。SNSサイトやチャットボット、ブログサイトなど幅広い用途に利用されています。
- Perl
1987年に開発された歴史ある言語。Webアプリ開発、テキスト処理、システム管理などの用途として使用されています。
プログラムとは
コンピュータが理解できる機械語を使って記述されたもののことです。
ソースコードとは
人間が理解しやすいプログラミング言語の文法に従ってコンピュータにどんな動作をして欲しいか、指示や処理手順を記述したテキストファイルのことです。
そのファイルをソースコード、単に省略してソースやコードと呼ばれています。
ソースコードのままでは、コンピュータはその内容を理解することが出来ません。ソースコードをコンピュータが理解できる機械語に変換されたものがプログラムになります。
つまり、ソースコードは、プログラムの元(ソース)となるものです。
Pythonの特徴
Pythonの誕生
Pythonは、オープンソースのプログラミング言語です。そのため、Python自体を無料で利用することができます。
オランダ人のGuido van Rossum(グイド・ヴァン・ロッサム氏)が開発し1991年に公開したプログラミング言語です。
「Python」という名前は、イギリスのテレビ局BCCが製作したコメディ番組Monty Python's Flying(空飛ぶモンティ・パイソン)に由来してます。Pythonという単語は、ニシキヘビを示すことからPythonのマスコットやアイコンとして使われています。
Guido van Rossumは、CWI(アムステルダムのオランダ国立情報工学・数学研究所)で働いており、仕事で使用していたABCと呼ばれるプログラミング言語を派生してPythonを開発しました。
汎用性が高い
AI(人工知能)や機械学習、データ分析といった幅広い分野で中心的な技術として様々な場面で応用されています。Webアプリ開発だけでなく高度な科学技術計算のためのライブラリが豊富でデータ分析にも多く使われています。
インターネット上でファイルを共有するサイト「Dropbox」、画像共有アプリ「Instagram」、写真共有サイト「Pinterest」の開発にPythonを使用しています。
可読性が高い、メンテナンスしやすい
- ソースコードの構文がシンプルなので学びやすい
- ソースコードが読みやすいのでメンテナンスしやすい
記述のルールはインデント(字下げ)する決まりがあるので、コード全体の可読性(読みやすさ)に優れています。可読性が高いのであれば、プログラムのエラー対処したり、機能の追加もしやすく、結果としてメンテナンスもしやすくなります。
インタープリタ言語
Pythonはインタープリタ型の言語です。処理の実行時にソースコードを機械語に同時翻訳してくれるため、ソースコードを書いたらすぐにプログラムを実行することができます。
ソースコードに書かれている命令をコンピュータが1行ずつ機械語に解釈しながら実行しています。インタープリタは、ソースコードを書いてプログラムを逐次実行できるため、動作確認、差し替えなどを手軽に実施できます。
CやJavaなどのコンパイラ型の言語は、処理の実行前に予めソースコードをコンパイル処理をして機械語に変換したプログラムで実行する方法です。事前に機械語のプログラムに変換されたものをコンピュータは実行するため、高速に処理を実行できます。
スクリプト言語
スクリプト言語の定義は曖昧ですが、インタープリタ言語であること、ローレベル(low level)の記述が不要で小規模のプログラム向きといった特徴のある言語を指します。
また、スクリプト言語には可読性が高く処理を簡潔に書きやすい特徴があります。Pythonは同じ処理を他の言語よりも簡潔に記述できるためCやJavaなどの言語と比較してコードの記述が比較的短くなる傾向があります。
Python言語で書いた「Hello World」出力プログラム
print("Hello World")
C言語で書いた「Hello World」出力プログラム
#include<stdio.h>
int main(void){
printf("Hello World");
return 0;
}
Java言語で書いた「Hello World」出力プログラム
public class Main {
public static void main(String[] args) {
System.out.println("Hello World");
}
}
Python2系とPython3系
Pythonは、Python2系とPython3系があります。Python2系は2000年、Python3系は2008年に公開されています。
Python3系が公開されたとき、言語の仕様に変更が行われたことにより、これらのバージョンの間に互換性がなくなりました。そのため、Python2系で作成されたプログラムは、Python3系ではそのままでは動作させることができません。
Python2系のサポートは2020年1月1日までのため、もしこれからPythonを学ぶのであればPython3系で学ぶと良いでしょう。
プログラミング言語の学び方
プログラミング言語を学ぶときは、参考書を読み進めて終わりではなく、自分の手で入力して動作確認することです。
プログラムは、参考書を読んだだけでは身につきません。写経と呼びますが、プログラミングを学ぶときは、実際に手で入力して動作確認することが有効です。
最初は、サンプルコードを丸写しして実行して動作を確認しましょう。
そして、どうしてその結果が出力されたのかを考えてみてください。エラーでうまく動かない場合は、そのときに表示されるエラーメッセージを確認して対処しましょう。
さらに、そのプログラムが理解できたら出力結果を変えてみるなど自分なりにプログラムを書き換えて実行してみてください。
まとめ
今回は、Pythonの基礎知識について、その特徴や人気の理由についてご紹介しました。
これから、Pythonを学んでいく上で少しでもお役に立てれば幸いです。