本記事では、プログラミング言語であるPython3のインストール方法とvenvで仮想環境の構築方法についてご紹介します。
Pythonは、汎用プログラミング言語の一つであり、1行ずつコードを実行していくインタプリタ型の言語です。
機械学習、画像処理、自然言語処理、数値計算において外部ライブラリが充実していることから幅広い分野で中心的な技術として様々な場面で応用されています。
Pythonを用いる際は、 バージョン2系とバージョン3系がありそれぞれプログラムを記述する方法が一部異なるため注意が必要です。
Python2は2020年でサポートが終了となりました。Python3系は2008年に公開され2016年頃から新規の開発でも使われるようになりました。
特に理由がなければ、Python3をインストールしましょう。
Contents
Homebrewのインストール
HomebrewはmacOS環境におけるパッケージマネージャです。
Homebrewを使ってPythonをインストールするため、先にHomebrewをインストールしていきます。
最初に、ターミナルを用意しましょう。
いずれの操作で用意できます。
- Finderをクリックして、「アプリケーション/ユーティリティフォルダ」を開いてから「ターミナル」をダブルクリックして開いてください。
- commandキー とspaceキーを同時に押して表示される「Spotlight検索」にて、「たーみなる」と入力すると「ターミナル.app」というアプリケーションが表示されるのでクリックして開いてください。
今後、このターミナルでコマンドを実行していきます。
ターミナルを開いたら、Homebrew(https://brew.sh/index_ja)に移動してインストールコマンドをコピーしてターミナルで実行します。
以下のようにコピーしたスクリプトをターミナルで実行します。
/bin/bash -c "$(curl -fsSL https://raw.githubusercontent.com/Homebrew/install/HEAD/install.sh)"
実行中にパスワードを聞かれるのでPCログイン時のパスワードを入力します。キーボードを押しても画面上には何も出てきませんが、入力されていますのでパスワードを入力して「Enter」を押して先に進んでください。
インストールが進み、「Installation Success」と表示されたらインストール完了です。
以下のコマンドを実行すると、出力結果としてHomebrewのバージョンを確認できます。
$ brew --version
Home-brew 3.2.6
Python3のインストール
Homebrewを使ってPython3をインストールしていきます。
macOSにPythonは標準でインストールされていますが、それはPython2です。
そのため別途、Python3をインストールする必要があります。
現在のmacOSで使っているPythonのバージョンは以下のコマンドで確認できます。
$ which python
/usr/bin/python
$ python --version
python 2.7.16
/usr/bin/pythonは、macOSに標準でインストールされているPythonになります。
pythonのバージョンは2.7.16でPython2であることがわかります。
以下のコマンドでPython3をインストールします。
$ brew install python3
インストールできたか確認します。以下のコマンドを実行することで、出力結果としてPython3がインストールされており最新のバージョンがインストールされていることを確認できます。
$ which python3
/usr/local/bin/python3
$ python3 --version
Python 3.8.0
以上でPython3のインストールは完了です。
仮想環境の構築
Pythonをインストールできたのでプログラミングを始める前に仮想環境の構築をしましょう。
仮想環境を作ることで、複数のプロジェクトを開発する時に、それぞれのプロジェクトで依存関係が発生しないようにすることができます。
また、プロジェクトごとに使用する外部ライブラリのバージョンを固定することができるので、古いプロジェクト、新しいプロジェクトの両方が動作する状況を作っておくことができます。
仮想環境がない状況では、外部ライブラリは1つのバージョンのみインストールしておくことしかできません。
そのため、1年前に開発したプロジェクトが他の新しいプロジェクトのためにインストールしている外部ライブラリの影響で動かせなくなることや壊してしまうということが起こってしまいます。
このような理由からプロジェクトごとに仮想環境を用意することを推奨しています。
以下のコマンドが仮想環境の構築方法になります。
$ mkdir work
$ cd work
$ python3 -m venv env
$ source env/bin/activate
venv
venvは、Python3.3以降からpython標準の仮想環境ツールです。
プロジェクトごとに独立してPythonの実行環境を管理したい場合に使います。
ディレクトリの新規作成
以下のコマンドでディレクトリを新規作成できます。
$ mkdir ディレクトリ名
mkdir(make directory)で、今回は「work」というディレクトリ(フォルダ)を新規作成しています。このディレクトリは書いたコードを格納するためのディレクトリになります。
ディレクトリへ移動するコマンド
作成したworkディレクトリへ移動するコマンドが「cd work」です。
以下のコマンドでディレクトリ名で指定したディレクトリに移動します。
$ cd ディレクトリ名
現在のユーザのホームディレクトリに移動する場合は、以下のcdのみのコマンドです。
$ cd
pwdコマンド
pwdコマンドで現在いるディレクトリの表示ができます。
$ pwd
/Users/dmmice/work
仮想環境の作成
仮想環境を作成するにはvenvコマンドを実行します。workディレクトリ内で「python3 -m venv env」を実行して、workディレクトリ内にenvというディレクトリができます。env/というディレクトリにpythonの仮想環境を作ります。
$ python3 -m venv 「仮想環境名」
仮想環境名でディレクトリが作成されます。
仮想環境の有効化(activate)
$ source env/bin/activate
作った仮想環境で開発を始めるためには仮想環境の有効化をする必要があります。
sourceは、そのファイルに記載されているコマンドを実行するコマンドです。
環境変数($PATH)が更新されて仮想環境が有効(activate)になり、プロンプトが環境名付きになります。
(env)$
これで仮想環境を作ることができました。
ここで有効化された状態の仮想環境のPythonのパスとバージョンを確認してみます。Pythonのパスがenvディレクトリ以下に変わっており、仮想環境のパスが使われていることが確認できます。
(env)$ which python
/Users/dmmice/work/env/bin/python
(env)$ python --version
Python 3.8.0
仮想環境にパッケージのインストール
(env)$ pip install 「パッケージ名」
仮想環境が有効化(activate)の状態で、pip installすると仮想環境にインストールされます。
仮想環境から抜ける(deactivate)
deactivate(無効化)コマンドで仮想環境を抜けます。
(env)$ deactivate
まとめ
今回は、プログラミング言語であるPython3のインストール方法とvenvで仮想環境の構築方法についてご紹介しました。
特に難しい方法はなかったのではないでしょうか。
これから開発を始める方に少しでもお役に立てれば幸いです。